デルタ式汎用英語音源原音設定講座

まえがき

この記事ではデルタ式汎用英語音源の原音設定方法を解説します.
前提として,
1.setParamが使える
2.日本語CVVCの原音設定ができる→記事
3.子音単体音の原音設定ができる→記事
人を対象にしています.


目次

  1. 必要なツールの導入
  2. 概要
  3. 二重母音を含むCV(CCV)の原音設定
  4. 二重母音を含むVC(VVC)の原音設定
  5. V C-の原音設定
  6. オンセット子音クラスタの原音設定
  7. オンセットCCVの原音設定
  8. コーダ子音クラスタの原音設定

1.必要なツールの導入

こちらの記事から「原音設定テンプレ吐き出す君」と「エイリアス複製君」をDLしておいてください。


2.概要

音源作成の流れは以下の通り

音源リスト配布所より録音リストをDLします.
これらの録音リストには,mkototemp.ini,dubalias.ini,presamp.iniが同梱されています.



録音します



mkototemp.iniをmkototemp.exeと同じ階層に入れ,録音に使った録音リストをmkototemp.exeにD&Dします
この時録音リストによってはh行の単独音が生成されませんが,原音設定必須です.
例えば[ask][him]など歌わせるとすると,[k hi]は収録されてないため音漏れします.
必須です.



原音設定します.



dubalias.iniをdubalias.exeと同じ階層に入れ,設定済みのoto.iniをdubalias.exeにD&Dします
(日本語の「"を"を"お"で補完する」に近い作業ですが,setParamは英語用の補完は考慮されていませんので,dubaliasを使います.)
具体的な補完内容は
3 [C]→r [C]
E絡み全般→eでも鳴るようにする.
oUを含むCV要素→oでも鳴るようにする.
aIまたはaUを含むCV要素→aでも鳴るようにする.


二重母音を含むCV(CCV)の原音設定

[CV][- CV]の設定方法は日本語音源と同じですが,
eI,aI,aU,OI,oUなどの二重母音が絡んできた場合若干異なります.




[seI]

左ブランク:子音の頭(CVと同じ)
オーバーラップ:先行発声の1/3(CVと同じ)
先行発声:母音の頭(CVと同じ)
子音部:左から見て母音が安定してる場所(CVと同じ)
右ブランク:2つめの母音が始まる前の安定してる場所

[seI]で聞こえる音は[せー]が正解です.
[せーぃ]と聞こえる場合設定が間違えています.

この仕様の為,[seI][R]みたいに二重母音でフレーズが終わると[ぃ]の音が欠落します.
従って[seI][eI -]のように必ず語尾音を使ってください.


二重母音を含むVC(VVC)の原音設定

[VC]の設定方法は日本語音源と同じですが,
eI,aI,aU,OI,oUなどの二重母音が絡んできた場合若干異なります.




[eI s]

左ブランク:1つ目の母音の安定しているところ
オーバーラップ:1つ目の母音の安定しているところ
先行発声:子音の頭(VCと同じ) オーバーラップの3倍の値になることが望ましい.
子音部:子音の安定しているところ(VCと同じ)
右ブランク:子音の安定しているところ(VCと同じ)

左ブランクとオーバーラップで1つ目の母音を囲むことがポイントになります.



V C-の原音設定

子音終わりの語尾音です.
V C-でもVV C-でも V CC-でも基本は変わりません.





[E s-]



[eI s-]


左ブランク,オーバーラップ,先行発声はVC,VCCと同じです.
子音部:最後の子音が終わってすぐ
右ブランク:無音箇所


ちなみにpresampが参照する長さは,先行発声-子音部間です.


オンセット子音クラスタの原音設定

オンセット子音クラスタ(onset-consonant-cluster)とは,starの[st]、dreamの[dr]、glowの[gl]、springの[spr]など,単語の頭に来る2,3の子音の連続のことです.

[CCV]又は[CCCV]として収録すると録音量が爆発するため,2番以降のリストでは[- CC]または[CC]と言うエイリアスを与えております.

基本は「1つ目の子音は前の音(VC)と繋ぐ」「最後の子音は次の音(CV)と繋ぐ」です.


二重子音(2つ目が破裂音の場合)


[s t]

左ブランク:sの頭
オーバーラップ:先行発声の1/3

[si][seI]などs行のCVと同じ

先行発声:無音の頭

子音部:無音箇所
右ブランク:無音箇所

[E t][oU t]などtのVCと同じ


2重子音(2つ目が破裂音以外の場合)


[s m]

左ブランク:sの頭
オーバーラップ:先行発声の1/3

[si][seI]などs行のCVと同じ

先行発声:mの頭

子音部:mが安定したところ
右ブランク:母音が始まる前

[E m][oU m]などtのVCと同じ

三重子音の場合



[stw]

左ブランク:sの頭
オーバーラップ:先行発声の1/3

[si][seI]などs行のCVと同じ

先行発声:wの頭

子音部:wが安定したところ
右ブランク:母音が始まる前

[E w][oU w]などtのVCと同じ



オンセットCCVの原音設定

オンセット子音クラスタを[CCV]又は[CCCV]として収録する場合です.
デルタ式汎用英語リストの0番と1番ではこの設定が必要になります.




[stw@]

左ブランク:最初の子音の頭
オーバーラップ:最初の子音の安定箇所
先行発声:母音の頭
子音部:母音の安定箇所
右ブランク:母音の安定箇所

非常に先行発声が長くなりがちなので,オーバーラップを多めにとっていますが,
オーバーラップを最初の子音の1/3にとどめておいた方がいいかもです.


コーダ子音クラスタの原音設定

コーダ子音クラスタ(coda-consonant-cluster)とは,armの[rm],didn'tの[dnt],askedの[skt]など,単語の末に来る子音の連続です.

V CC-や V CCC-として収録すると,それだけで録音リストの量が倍になるほど録音量が爆発するので,デルタ式英語汎用の1番以降のリストでは,[C C-]または[C CC-]というエイリアスを与えています.

なお0番リストではV CC-や V CCC-として収録しますので,[V C-]の設定方法を参考に設定してください.

基本は1つ目の子音で前の音(VC)と繋ぎ,そこから残りの子音は子音部で保護します.




[s k-]

左ブランク,オーバーラップ:sの安定した場所を囲む.
先行発声:2つ目の子音の頭
子音部,右ブランク:無音箇所を囲む



[z m-]

左ブランク,オーバーラップ:zの安定した場所を囲む.
先行発声:2つ目の子音の頭
子音部,右ブランク:無音箇所を囲む



[z nt-]
左ブランク,オーバーラップ:zの安定した場所を囲む.
先行発声:2つ目の子音の頭
子音部,右ブランク:無音箇所を囲む